親と教師の教育相談室-032/201page

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31.幼児のどもりの取り扱いについて―2)―
【問い】4歳の男の子です。幼稚園に通っていますが,このごろ,どもりのような話し方をすることが時々あります。お父さんの兄弟にどもりの人がいますので,とても心配です。どのように取り扱ったらよいか教えてください。

【答え】この時期は「ことばの発達」が著しく,ことばをたくさん覚え,たくさん話し,日本語の話し方のけいこをする大切な時期です。ですから,すらすらと話しができないのが,ごく普通の子どもの,あたりまえの現象と言えます。また,この時期の子どもの心も体も,まだ十分に発達していないのに,ことばの方は大変な勢いで伸びるので調和がとれないのです。心と体の発達の未熟ということは,すらすらと話しをするのに必要な心と体の準備ができていないのです。特に幼稚園という集団生活のなかで,人間関係,その場の雰囲気によって話す速さ,リズムが影響を受けやすいのです。以上のようなことから,どもりと思われていないごく普通の幼児の話しことばの中にも,ためらったり,つまったり,音を伸ばしたりする症状があらわれます。次にどもりの人のいる家系の人は「妙な話し方」に対する点のつけ方がからくなります。また,どもりのために損をした人が家系の中にいると,どもりは大変いやなことで,みっともないと考えてしまい,子どもの話し方にばかり注意するようになってしまいます。こんな取り扱いが子どもをどもりにおいやることになります。子どもの気持ちになって,話の内容に耳を傾けること,ゆったりとした話しやすい雰囲気をつくること,楽しい話し合いの場を多くもっことなどによって,正しい話し方を育てていくことが大切です。


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