親と教師の教育相談室-034/201page

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33.学校でしゃべらない子
【問い】小学1年を担当している者です。私の学級に,登校したとたんになにを話しかけても話をしない女の子がいます。母親の話によると,家では普通の子と同じようにしゃべっているということです。また,病院で検査してもらったところ,どこにも異常が認められないとのことでした。担任としてどのように取り組んでいけばよいでしょうか。

【答え】このような子を”場面絨黙(ばめんかんもく)”と呼んでいます。家庭の外に出て新しい対人関係や集団のなかに自分を置くことに自信がなく,不安になることから起きるのが普通です。
こんな時,担任にとっては,どうにかしゃべらせよう,しゃべらせよう…という気持ちが強く働き,その子を特別扱いしがちになります。するとその子は,ますます「あ,やっぱり自分はしゃべれないんだな」という気持ちになってしまいます。そこで,担任としては子どもと仲良しになることが一番大切になります。具体的には次のようになります。
1)「おはよう」「さようなら」の言葉を必ずかける2)やさしい表情で接する3)一緒に仕事や遊びをする4)努力したこと,できたことを見逃さずにほめる等などです。口をきくことができたこと自体はほめないことです。「よく言えたね」だけではダメです。また,学級への働きかけとしては1)みんなと仲良く遊ぶ2)間違っても笑ったり,ひやかしたりしない3)明るく元気にあいさつしあう4)お互いに励ましあう等などがよいと思います。
以上のようななかで,子どもの好きなこと,得意なことに目をつけて働きかけ,十分に活動させます。その活動がみんなから認められるようになると,子どもは自然と自信を持つようになります。ここまでは険しい道のりです。本人から一歩下がり,長い目で見守りながら努力を続けていくことが大切です。


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