親と教師の教育相談室-035/201page

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34.教室ではっきり答えない子
【問い】小学5年の男の子ですが,家では姉とのけんかでも負けずに言い返すぐらい活発です。ところが,学校では手をあげて発表しようとしませんし,指名されてもはっきり答えません。わけを聞きますと「間違うと恥ずかしいから」といいます。どうすればよいでしょうか。

【答え】子どもが発表しない原因は身体的欠陥を除けば,ほとんど情緒的な問題の場合が多いようです。
その原因を具体的にあげてみますと,1)幼児期にわがままな生活を送った2)幼児期に親から発表する機会を抑えつけられた3)発表したことが友だちから笑われた4)学習に自信がない5)先生に恐怖心を抱いている…などがあります。これらの原因がいくつか組み合わさって表れるようです。
質問のお子さんは,3)と4)に当てはまるようですので,次のように考えてみてはどうでしょうか。
子どもの「間違うと恥ずかしいから」という感情の裏には,学習に対する自信のなさと間違うことによって自尊心が傷つけられてしまうとの心配が働いています。従ってまず,学習への自信をつけること,そのためには必ず予習をして授業に臨むことがよいと思います。予習を続けると,内容もわかって学習意欲も自然にわいてきます。家庭においては責任ある仕事を与え,励ましやほめることも忘れてはならないことです。
次に人間ならだれでも未熟であること,だからこそどの人も間違いながら正しいものを追い求めていることを自覚させることがよいと思います。「そうだ間違っても平気なんだ」という耐性をつくりあげていくことが大切です。
発表力をつける特効薬はありません。子どもの心をよくわかってあげてじっくり取り組んで下さい。


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