親と教師の教育相談室-036/201page

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35.神経質な子
【問い】わが家の小5になる長女はこのごろ衣服の汚れをとても気にしたり,食器でも自分のは洗い直して使ったりします。それだけならまだしもトイレが少しでも汚れていたりすると,用をたせないほどです。私がいつも清潔さを心がけて育ててきたからとも反省するのですが…。親として配慮すべきことなどを教えてください。

【答え】確かに清潔の習慣は悪いことではありません。ただ過度にこだわりすぎると,自由な活動が妨げられ,それだけ子どもの発達は狭められるわけです。これが問題です。ご質問からすると,そうとう過敏で神経質なお子さんのようです。
このような子には,母親自身の性格や育て方からの影響があります。幼児期から食前の手洗い,歯みがき,衣服の汚れ,おもちゃの整理,言葉遣いなどを必要以上に厳しく,さらに脅かすような注意で育てると,子どもはしかられることを恐れて不安がり,しかられまいとして清潔すぎる行動をとるようになってしまいます。
もうひとつは,子ども自身が小さいときから病弱であったりする場合です。このケースでは,親や周りの人たちがどうしても健康に気を使いすぎ,わずかな体の異常にも心配するため,子どもは神経質になりやすくなります。そして,こうしたことがいつの間にか子どもの性格形成にも影響し,ますます神経質な行動になっていきます。
ですからこのような子どもには神経質な事実を問題にしないで,日常の生活を自由にさせてみることです。そして子どもを信頼する親子関係のなかで適正な清潔感とはなにかを教え,少しずつ過敏な状態を取り除いてやることです。ご質問のような程度でしたらお母さんの態度次第で変化するはずです。


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