親と教師の教育相談室-040/201page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

39.自主性を伸ばすには
【間い】自主性を伸ばす,とよくいわれます。小学生をもつ家庭で,この程度は知っておきたいというところを教えてください。

【答え】自主性ということばは,他人の力に頼ることなく実行し,また,そのような自分を維持することの説明に用いられます。
人はみな生活の充実・発展をねがって生きていますが,いざ実現しようとすると,それを求める行動のしかた,また態度によって大きな差が生じます。自主性に富む人は,ものごとの考え方や処理の仕方を手際よく進める例が多く,言語・動作も他人を納得させるものを持っています。
その考えや仕事ぶりに自分というものが十分に生かされて迷いがなく,仮に失敗してもすぐ立ち直り,そのあとの対応が的確だからといえるでしょう。そうでない人は,見通しや手順などが不安定で,自分以外の力に左右されることが多く,自分のこととしてのまとまりに欠ける結果に終わりやすい,ということが指摘できると思います。
さて,子どもにとって自主性は,生活の具体的な体験の中で養われていくものといわれます。すでに幼児期にその傾向が芽ばえ,家庭にあっては肉親との信頼感・自立感を貴重な媒体として育ち,また,仲間,集団の中では積極性・自発性などにかかわるさまざまの生活経験を基調として伸びていくことが認められています。
家庭や学校では,子どもが有効な体験の積み重ねができるように,生活環境を整えてやるようにしたいものです。
よく,子どもがやるべきことを,大人の考えや方法でまとめさせる現象を見たりしますが,これではせっかくの体験の場がなくなってしまいます。最後に活発で自発的な考えや行動も,他人に迷惑がかかるものは自主性にはなじまないとご理解ください。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]


掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。