親と教師の教育相談室-042/201page

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41.へ理屈をいう子
【問い】このごろ,子どもが”へ理屈”ばかりいって困ります。放っておいてもよいでしょうか。

【答え】放っておいてはいけません。本気で相手になって下さい。”へ理屈”といっておられますが,初めからそうばかにしてはいけません。しかられたり,用事をいいつけられたりしたとき,なんとか理由をみつけてなかなか「はい」と言わない点がご不満なのだと思います。
子どもは,小さいうちにはなんでもおとなのいうことを本当だ,と思ってうのみにしがちです。しかし成長するとともに自分の心のなかで比べ合わせ,理屈に合わないことをみつける力も強くなります。小学校低学年でも「でも」「だから」といった言葉を使います。これは理由をみつける力がついた証拠であり,理屈に合わない親の言葉であれば,それを気にするようになります。
しかし,他人の言い分の粗をみつけ出すことはできても自分で順序立てて理由づけすることはまだまだ下手です。だからへ理屈にもなるのです。だが,へ理屈だからといって取り合わないのではかわいそうです。それがへ理屈ではなく,もっと立派な理屈になるように育てなければなりません。忙しくて子どものへ理屈などにかかわり合ってはいられないというのでは,考える力のない子にしてしまったり,親になにを話してもムダだと思うような子にさせてしまいます。
”へ理屈”という言葉には「子どものくせに生意気な」という感情がこもっているように思います。親がいくら空威張りしても結局は子どもに追い抜かれます。そんなときが来ても子と固く結ばれた親でありたい…と願うのなら,子どもの批評を喜んで聴き,さらに一番正しい考え方を一緒にみつけるお相手をして下さい。


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