親と教師の教育相談室-044/201page

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43.理屈を押し通そうとする子
【問い】小学5年の男の子で,一人っ子です。学級会で「いまの提案ですと,問題点に対してこれからどのようにするかがはっきりしないと思います」などと発言すると,同級生から「かっこつけて」などとやじられ,敬遠されているとのことです。本人は「家でしゃべっているのと同じようにしゃべっているのに」と憤慨しています。家に帰ってからは年上とばかり遊びたがります。どうしたらよいでしょう。

【答え】一人っ子ですとどうしても,おとな相手の生活が中心となってきます。おとなのすることや話していることなどを自然と自分のなかに取り入れ,おとなの世界を何でも知っているかのように育っていきます。
これだけなら気にとめることもないのですが,問題なのは子ども同士の付き合いです。理屈で押し通そうとしますからみんなにけぎらいされ,うまくいかなくなることです。社会性が豊かに育てられなければならない時期に,発達にかたよりのあるこの”理屈っぽさ”は反省された方がよいと思います。子どもには次のことを話して下さい。
同級生には行動で接すること。具体的には1)学校での係仕事を進んでやる。仲間がいれば一緒にやる2)昼休みや放課後の運動も自分から仲間に飛び込み思いきり汗を流してみる。下手でもよい。仲間といっしょの行動から「B君も自分たちと同じ仲間なんだな」という意識が同級生の間に芽生えてくる。これをやりもしないでルールを理屈でしばろうとすると,反発を買うばかりになる3)友を家に呼んだり自分から友だちの家に遊びに行くようにする…などです。
子どもには子どもの世界があります。その中でこそ社会性や協調性が育っていくものです。子ができるだけ友と接する機会を多くつくるよう配慮して下さい。


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