親と教師の教育相談室-048/201page

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47.兄弟げんかをする子
【問い】うちの子は下の子をいじめてばかりいて,少しも親の言うことをききません。どうしたらよいでしょうか。

【答え】兄弟げんかは仲のよい証拠だともいえますが,その半分は親にも責任があります。それはまず第1に,小さいときから親が行ってきた「パパとママではどちらが好き?」といって愛情をエサにしつけてきたこと。第2に,なにかにつけて兄弟を比べながらしつけていることです。子どもはそのために焼きモチ焼きの名人になってしまい,親としてはいくら公平に裁いたつもりでも「えこひいきだ」と怒るのです。
しかも親が子どものけんかの原因を見抜いていることはめったにありません。本当のことはわかっていないのに「お兄ちゃんのくせに」とか「女の子のくせに」とかいってしまいがちです。
だいたいけんかの仲裁をするといっても,おとなの都合が先立っていることが多いようです。だから子ども同士で本当にわかり合うことよりも,早くその場の”けり”をつけようとあせり,失敗を重ねるのです。そして注文通りにいかないと,こんどは親自身が体面を汚ごれたような気になります。
ですから,まず兄弟を比較しないようにするほか,子どもの言い分をきく習慣を心がけてください。そうすれば,子どもは相手の言い分をきき,理解しようという習慣が身につくでしょう。子どもが納得できないでいるとき,頭から「”はい”といいなさい」と命令すれば,当然その流儀をまねしてまじめに考えようとはしなくなります。
けんかはお説教ではおさまりません。お互いに本気でわかり合う練習をするのが,回り道のようで,実は一番の近道なのだと考えて子どもに接してください。


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