親と教師の教育相談室-049/201page

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48.思うようにならないとかんしゃくをおこす子
【問い】先日,5歳の息子を連れてデパートに買い物に行ったとき,おもちゃ売り場を通ろうとしたらそこを離れようとしません。機関車を見つけて「買ってちょうだい」とせがみ,しまいには大声を出して泣きわめき,売り場の前でひっくりかえってしまいました。買わないという約束だったのですが,ついに負けてしまいました。どうしつければよいでしょうか。

【答え】自分の欲求が満たされないために示す激しい怒りの様子が”かんしゃく”です。これは2歳ごろから始まり,3,4歳ごろが最も多く,5歳をすぎるころから少なくなります。
かんしゃくの誘因となる条件には,1)健康状態(病気や疲労の度合い)2)感情状態3)両親の態度4)兄弟の間柄…などがあります。とくに問題となるのは3)と4)で,いずれも人間関係の異常からきているようです。3)では,子どもの正当で適切な要求も無視して抑圧的な態度をとったり,一貫性のない養育態度をとったりすると起きやすい。また,要求を通そうとして起こしたかんしゃくに対し,親が言いなりになるような過保護な態度はかんしゃくを習慣化させてしまう。4)では,兄弟が偏愛されているといつも思っている子どもはかんしゃくを起こしやすいと言われます。
お宅の場合は3)のようですから,子どもの強い要求実現の闘いに親が負けないことです。具体的には放っておくことです。かんしゃくを起こしても自分の要求は通らないことを体験させることです。年長になってかんしゃくを起こした場合には,気持ちがおさまってからその事情について説明してやるとよいでしょう。両親は一貫性のある養育態度と深い愛情をもって子どもに接し、心身の発達を促進させるよう心がけることが大切だと思います。


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