親と教師の教育相談室-056/201page

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55.鉛筆削りのへたな子
【問い】小学校5年の男の子です。このごろナイフに興味を持ち,手を真っ黒にしながら鉛筆を削っています。ところが,削り方がへたで,けがでもされたらと,はらはらします。手をとって教えるのですが,なかなかじょうずになりません。どのような教え方をすればよいのでしょうか。

【答え】ナイフを使って鉛筆を削ることはすごく簡単に見えますが,子どもにはなかなか難しいことです。中学1年生ぐらいでも,機械で削ったように削れる子どもは少ないようです。これは,子どもたちが日常生活の中で,ナイフを使って物を削る機会が非常に少なくなっているからです。
何事も最初からじょうずにできる人はまれです。へたでもかまいませんから,どんどん削らせることが大切です。なお,このとき,どのような場合にけがをするのか,具体的に教えてください。また,削り方を教えるという気持ちをできるだけ抑えて,削っているところを見せてあげてください。子どもは,どのようにしたらじょうずに削れるのかを考え,いろいろ工夫しながらやっていくものです。
やがて,その体験から自分なりの「コツ」をつかみます。この「コツ」は,指先の感覚と頭のはたらきがうまく結びついた手の正確な動きとして表れます。子どもに,指先の豊かな感覚を育てることを重視していただきたい。ナイフを用いた手作りのおもちゃなどを子どもとともに楽しみたいものです。


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