親と教師の教育相談室-058/201page

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57.登校拒否児の母親の養育態度の問題は
【問い】子供の人格形成には親の養育態度が重要だといわれていますが,登校拒否の傾向のある子供の親,特に母親の養育態度について,来談した事例からで結構ですから教えてください。

【答え】登校拒否児は,一般に1)過保護で甘やかされて育ってきている2)年齢相応に精神的自立ができていない3)自己中心的で,同時に傷つきやすく,過敏であり,小さなことにもこだわる4)消極的,神経質的で,気分の変化が大きく,自分のからに閉じこもりやすい5)父親が精神的に不在であるなどといわれています。
一般に神経症的症状を呈する登校拒否児が多いので,その母親の養育態度の特徴について述べてみます。
1)子どもに対して,過酷な要求をしたり,無視したりして積極的に拒否するタイプ2)親の果たし得なかった野心や要求を,子どもに強要し,子どもの個性能力を無視し,親の要求や水準に従わせようと期待するタイプ3)子どもをよりよくするために世話をやきすぎ,できるだけの助力や指図を与えようと干渉してしまうタイプ4)子どもの日常生活,学業,健康,将来の進路などに,心配や不安をいだき,過度の援助や保護を与えようとする不安タイプ5)同じ行動に対して,ある時はしかり,禁止し,ある時は見逃したりして,一貫性のない矛盾したタイプ6)両親の態度が一致せず,子どもが親から異なった取り扱いをうけやすい不一致のタイプ等が特徴です。
母親は,かつて子どものころ,感受性が豊かだったのですが,自分が子育ての立場にたった時,昔の子どものころをすっかり忘れてしまっていることが多いようです。
もっと素直な気持ちになって,子どもの気持ちをくみ取ることができるようになれば,子どもの心の傷もいえることになるでしょう。


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