親と教師の教育相談室-060/201page

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59.おとなしすぎる子
【問い】わが家の中学2年生の長女は,口数も少なくておとなしい子です。家では素直で手伝いもよくしてくれ,勉強もまじめにやる良い子と思っています。ところが,学校ではおとなしすぎて,それが学力の伸びを抑えているといわれました。こういう子をどう育てたらよいでしょうか。

【答え】おとなから見て素直でおとなしい子は一般的に「良い子」と考えられがちです。しかし,質問のような場合ならやはり問題です。
第1は,おとなしさが体力の弱さからきている場合です。すぐ疲れて熱を出したり,病気がちの子は意欲や持続性が伴わないため,学習効果もあがりません。こんな子には積極的に体力づくりをさせることです。
第2は,何をやるにも控えめで,親や周りの人のいうことをよく聞く子の場合です。こんなケースでは反抗する気力や意志が乏しく依存的,消極的言動になったりします。注意したいのは,小さなときから他人と比べられてばかりいたり,抑えつけられてばかりしていた子です。このような子は不安,緊張,逃避,拒絶などの心の働きでいつもおとなしくしているのでいつも欲求不満の状態に置かれ,学力にも影響します。
第3は,何をやるにもスローモーで,いつも他人より遅れる子です。こういう子もおとなしい子といわれがちです。慎重で辛抱強く着実な言動ならよいのですが,反応が鈍いためにあせりやいらだちを感じながらおとなしくしていたり,途中で学習を投げ出してしまっているなら問題です。
つまり,良い意味での「おとなしい子」とは,情緒が安定していて意志が強く,さらに忍耐力のある子といえます。大事なことは,親の目からみて判断するのではなく,子ども自身の持つ安定さから判断すべきであると思います。


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