親と教師の教育相談室-066/201page

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65.学校に行かない子への接し方
【問い】「成績が下がるのでは…」と不安がって2学期から学校へ行っていません。一時は物を投げる,燃やす,暴れるなど,気が狂ったようでした。今は家に閉じこもりつきりです。

【答え】お手紙から察しますと,登校拒否の第3期症状のようです。登校拒否の進行状況は,第1期が心気症の段階で,登校時になると頭痛や腹痛を訴え,昼ころから元気になる。第2期は攻撃的段階で,登校をすすめる親に乱暴したり家具をこわしたりする。第3期は内閉的段階で,昼ころ起き出し,夜おそくまで起きているなど昼と夜をとりちがえてしまう…という経過をたどっていくのが普通です。
お宅の場合,第3期に入ったので長期化しそうです。本人は成績を気にしているようですから,タイプとしては優等生の息切れ型のようです。1学期はかなりの成績でしたが,その位置を再び確保できるか,転落しないかなど不安のため学校へ行けないということです。根本的には,これらの不安に耐え,困難を克服していく力が身についていないことが問題になります。これは永年の過保護,でき愛などが原因でしょう。
今後の取り組みとしては,これまでの過保護,でき愛の養育態度を改めることです。具体的には1)主体的に行動させる(好きなことを気のすむまで)2)思いきり行動したあとは「自分で立ち直るんだよ」と援助することです。ムダと思われる遊びや行動が,次の活動へのエネルギー源になっていることを理解し,じっくりと取り組んでいくことが大切かと思います。


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