親と教師の教育相談室-080/201page

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78.親の「過保護」とは
【問い】来春,幼稚園に入る子どもの母です。親の過保護ということを聞きますが,どのような養育のしかたが過保護になるのでしょうか。

【答え】親は,子どもを危険から守るとか,ことばや習慣を教えるとかという点で,保護・援助が必要なことはいうまでもありません。しかし,この保護が過剰になると,子どもの精神の成長に障害が起こるといわれます。
お子さんは今,最も大切な「自立感」の育つ年代にいます。この「自立感」は,子ども自身の成功の経験,失敗の経験の積み重ねによって達成されるものです。ですから,この時期に子どもがやろうとすることを親がきにしすぎると,子どもは「自立感」が育たないまま,身体だけ大きくなってしまいます。つまり,親は子どもの成功をのみ願い,親の力によってにせの成功感を獲得させるものですから,子どもは「自立感」の代わりに「小児万能感」を身につけてしまい,わがままで,我慢のできない子になってしまいます。
このようにその年代で育てなければならない「自立感」の成長を阻害するような育て方を,過保護と考えてはいかがでしょうか。
過保護な子どもは,周囲の手助けがあるうちは問題ないのですが,小・中学校校に入って,ちょっとしたおびやかしにもショックを受けて,登校拒否や暴力行為などの問題行動をとりやすいといわれています。
少年期には「社会性」,青年前期には「自発性」が育つとされています。その年代年代に適切な養育をしていきたいものです。


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