親と教師の教育相談室-095/201page

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93.マイコンの組み立てに熱中しすぎる子
【問い】中2の男の子ですが,マイコンに熱中し,小遣いもほとんどつぎ込むありさまです。進学のことなども考えると,心配なのですが。

【答え】店頭には,テレビゲームをはじめとする遊ぎ機器が並び,興味をそそるものがいっぱいです。また,技術の進歩によって,ICなどの電子部品も大量生産され,高性能のものがかなり安く出回り,手に入れることが容易になってきました。このような世情ですから,探究心のおう盛なこの年代にあっては,これに関心を示すのは当然のことでしょう。
現代の子どもは,無感動・無気力だとよく言われますので,一つの事に熱中し,自分で研究して製作しようとする態度は,むしろ,望ましく,大切に育てていかなければならないものと思います。
「そんな暇があったら勉強しなさい」というような言い方は,かえって反抗心をあおり,隠れた行動をとるという逆効果をもたらします。ですから,家庭の中で話題の中心にとりあげ,子どもに自分で得た知識や経験などを話すきっかけを与えてやり,家族が互いに理解し合えるようにすることが,まず大切です。
しかし,金銭的にもかなりの負担となりますし,組み立てなどに要する時間のことや,同じことに興味を持つ友達関係なども考えると,全く本人にまかせてしまうことは問題です。より良いものを作る夢を持たせながら,性急に取り組む態度を自省させ,段階的・計画的に実現していこうとする着実さや忍耐さを養っていくことが必要です。また,1つの物事を追求していくためには,広い教養が必要であることも例をあげて話してやり,学習への意欲を起こさせるきっかけにしていきたいものです。

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