親と教師の教育相談室-096/201page

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94.生活態度の悪い生徒の取り扱いは
【問い】高校2年の男子ですが,最近生活態度が悪いので注意すると,すぐ怒ってしまいます。ゆっくり話し合いたいのですが,どういう点に気を付けたらよいでしょうか。

【答え】高校生のころは,注意されるとすぐに反抗したりします。それは独り立ちへの成長の一過程なのです。しかし,注意の仕方にも問題はあると思います。例えば「なぜそんなことするの。……しなさい」といった注意は,ますます怒らせることになります。実際は注意しなくてもなにが正しく,なにが悪いかは知っています。ただこうしなければならないと知りながらも,態度にはうまく表せない年ごろなのです。そのため心の状態がいつも不安定で,いらいらしているのです。
したがって子どもと話をするときは1)まず先入観を捨てて話を聞くことです。「なにをいっているの」と注意してしまうと子どもは心を閉ざしてしまいます2)次に子どものいい分を認め,同感し,ともに考える姿勢を示すことです。「それは違うわ」と否定や批判をしないで,話を最後まで聞くことです。そして3)この子にも必ず自分で立ち直る力があることを信じ,子どもを信頼することです。「親の顔つぶしだわ。A君を見習いなさい。ああいう子どもを持った親はうらやましい」などといってしまうと,子どもは頭にきて「だれも頼みもしないのに産んでおいてなんだ。いなければいいんだろう」と怒ってしまい,家出などを考えるようになるものです。
しかし,子どもは親が自分を信頼してくれていることを知ると「これではいけない」と反省し,立ち直るよう努力するものです。高いところから見下ろさず,接することです。子どもは心を開き,話に応じ,立ち直ってくれるものと信じます。

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