親と教師の教育相談室-106/201page

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104.長編物語に興味を示さない子
【問い】うちの子供は小学校2年生にもなるのに絵本ばかり見ています。もう字が読めるのだからもっと長い物語を読んでほしいのですが,長い物語だと途中でやめてしまいます。どう指導したらよいでしょう。

【答え】子供が小学校に入学して字を習いはじめると,お母さんたちは「もう絵本は卒業!」とばかりに,文字の多い「厚い本」を読ませたがります。でも,けっして絵が多いから幼稚だ,字が多くて厚い本だから中身が濃いというわけではありません。それに「字が読めるようになる」ことと「本を読んで,その内容を理解する」こととは少し違います。
本を読むとき,子供はそこに描かれている世界を自分の中に形づくりながら読むわけですが,その手がかりになるのが,字であっても絵であっても同じこと。その子が読書の楽しみを十分味わうことができるなら,3年生になっても4年生になっても,たくさん絵本を読んでほしいと思います。これを無理に絵のない本に移行させようとすると,本を見ること自体が苦痛になり,本がきらいになってしまいかねません。これでは逆効果です。絵本を十分楽しめる子供は自然に字の多い本も読めるようになりますので心配はいりません。絵本の形をしていない「厚い」本のなかにも文字が大きくて読みやすく,さし絵もたくさん入っていて,しかも物語の面白さを十分味わえるものがあります。また,この時期は,お母さんに読んでもらわないで,自分一人で読めるようになる時期でもありますが,まだまだ「読んでもらいたい」という気持ちは強いものです。いきなり「一人で読みなさい!」と突き放さないで,第一話だけお母さんが読んであげて「あとは一人で読んでごらん」というような進め方をしてみてはいかがでしょうか。

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