親と教師の教育相談室-114/201page

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112.作文をいやがる子
【問い】わが家の長男のクラス(小学3年)では,毎週金曜日を”作文の日”として宿題を出しています。ところが,息子はこれをとてもいやがり,たまに書いた作文を読んでみても短く,おざなりです。親としてどのように指導したらよいでしょうか。

【答え】まずこのような子には,意欲づけを第一に考えます。この年ごろの子が作文を書くのは,自分自身を見つめたり,作文力を高めようという意識よりも親によく読んでもらい,ほめてほしいという意識が働くためです。この心理を忘れ,もっと上手に的確に等と要求すると,子どもは書く意欲をなくしてしまいます。部分的な言葉でもその子らしい表現を認めてやれば,また書いてみようと思うものです。
次に気軽に書く習慣を身につけさせます。原稿用紙を前に「さあ作文だ」と身構えたら,だれだってなかなか書けません。作文の第一段階は「思ったことを紙の上に書き表すことができる」ことです。子どもが作文をいやがるのは,この段階でつまずいているからです。まず書くことに慣れさせる必要があります。そこで,親子の間でこんな方法はどうでしょう。
1)簡単な手紙のやりとりをする。△太郎君へ「集金袋は朝になって急に出さないように願います。お母さんだって困るときがあります。よろしくね」△お母さんへ「あすはお弁当の日です。ぼくの好きなサンドイッチだといいんだがなあ…」等メモ帳の走り書きでよいのです。2)エンピツで対話する。例えば,テレビを一緒に見て感想を話し合うかわりに,かわるがわるエンピツで感想を書きます。親子の温かい交流が図れます。
これで家庭の指導は十分です。親が一緒になって意欲づけをしながら書くことの抵抗を取り除いてやることが大切です。

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