親と教師の教育相談室-122/201page
120.土器の収集と整理方法は
【問い】中学1年生の息子が,社会科の勉強で興味をもったとかで,近くの畑などから,土器のかけらやかわらなどを集めては勉強室に投げ捨てて置くので,勉強室のお掃除の邪魔になって困っています。土器のかけらなど集めて勉強の役に立つのでしょうか。また,よい整理のしかたはないでしょうか。教えてください。
【答え】中学1年生では,歴史的分野の「日本の国のおこり」で,縄文式土器や弥生式土器について学習し興味をもったのでしょう。
歴史学習では,遺跡や遺物などの具体的な事物を通して学習させ,わが国の歴史の発展を具体的に把握させることをねらっています。お子さんが,遺跡や遺物に興味を示して,主体的な態度で,見学や調査に出向いていることは称賛してよいでしょう。ただ,土器を収集するだけのマニア的態度での踏査では意味がありません。遺跡の立地や分布の違い,さらには,遺物の違いなどに注目し,そこから当時の社会の特色を考えていく研究的な姿勢が必要かと思います。従って,収集した土器のかけらにしても整理が大切です。かけら一片ごとに出土地,採集月日などをペイントで消えないように書き込み,またノートに一片ごとに,文様や色,焼きぐあいなどの特徴を記録します。整理の終了したものは,ダンボールや菓子箱を利用して遺跡ごとに分類し保管しておくと,あとで活用するときに便利です。一片のかけらが歴史を書き換えた例もあります。お母さんもご一緒に出かけてはいかがでしょうか。