親と教師の教育相談室-136/201page

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134.正しい沸点の調べ方
【問い】小学校4年生の長男とコーヒー用のサイホン式容器を使って,水の沸点を確かめる実験をしたところ,沸点が100度を越えてしまいました。また,金属のきゅうすを使って調べたら100度に達しませんでした。正しい沸点の調べ方を教えてください。

【答え】沸点が100度を超した理由は,実験に利用したガラス容器の表面が,滑らかだったために沸騰が起こりにくく,水が過熱されたものと思われます。水は不安定で,素焼きのかけらを入れると,急に沸騰して,温度が下がってきます。ただし,過熱状態のところに,これを入れると突沸して危険なこともあるので,初めから素焼きのかけらを入れて実験するとよいでしょう。また,温度を測るとき温度計がガラスの容器に接触していると,アルコールランプ等の熱が直接温度計に伝わって,水温より高い温度を示すことがありますので注意して下さい。きゅうすの場合は沸騰がスムーズで,沸点がl00度を超えることはありません。このとき,温度が100度に達しなかった理由は温度計の作り方と気圧に関係があります。温度計は球部ばかりでなく,水銀柱の部分全体を水につけたとき,正しい温度を示すように作られています。従って,球部だけで測定したときは示度は低くなります。そこで温度計の周りをボール紙の筒などで囲って実験すると,その分だけ水銀柱が上昇します。また,大気圧以下の時に実験すると,水の沸点は100度になりません。

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