親と教師の教育相談室-137/201page

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135.電気用語の「ボルト」とは
【問い】小学校6年の子供から電圧(ボルト)について質問され,小学校の教科書を調べてみましたが,適切な答えがみつかりません。どう説明したらよいか,うかがいます。

【答え】いまの小学校では,電流(単位はアンペア)については学習しますが,電圧(単位はボルト)については扱っていません。
しかし現実には家庭のなかでさえもさまざまな電気機器にふれ,例えば電灯線の電圧が100ボルト,乾電池(単)は,1.5ボルト,というように「電圧」「ボルト」が目に入ってくる機会が多いわけです。
このため,子供たちは電圧と電流を混同しているのが,むしろ普通であると言えそうです。
さて,電圧についてですが,厳密な定義(物理的な仕事上から定義される)は別として電圧が高いほど強い電流が流れることから,発達段階を考えた小学生向けの説明としては「電流を流す力」とか「電流を流す原動力」として教えてよろしいと考えます。
こうすることで「電圧が大きい(高い)ということは電流を流そうとする力が大きいということだから,従って強い電流が流れる」というように電圧と電流を関連づけることによって,しかも統一的な解釈ができるようになります。
小学校の高学年になれば統一的な理解,認識を求める欲求が意外に強いものです。
たしかに電流だけでは認識に安心感を持てないのも事実だから,ここはいたずらに定義の厳密性にこだわらず,子供の立場に立って安心した概念形成を考えてやった方が教育的であるように思います。

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