親と教師の教育相談室-141/201page

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139.理科に興味をもたせるには
【間い】小学校5年生の長女が,高学年になるにつれて理科嫌いになってしまいました。理科に興味を持たせるにはどうしたらよいでしょうか。

【答え】低学年では植物の栽培や花の観察など,比較的具体的な内容を多く扱いますが,高学年になるにつれて,熱とか溶液の濃さなど,直接目で確認しにくい内容が多くなって,暗記的な学習に陥りやすくなります。単に暗記的に学習したことは,一時的に覚えてもすぐ忘れやすく,他のことへの応用がきかず,そのうち興味を失ってしまうことになります。そこでできるだけ観察や実験を通して,1つ1つ理解させていくように心がけなければなりません。少し工夫すれば学校で学習したことを家庭で確かめたり,発展させたりすることができます。
例えば,食塩の濃度と重さについては次のような実験が考えられます。2つのコップに水を入れ,一方には食用色素を少量溶かして色水をつくり,他方には食塩を十分溶解します。色水をスポイトで取って,食塩水に少しずつ滴下しますと,色水が食塩水の表面に広がってきます。次に食塩水に色素を入れ,これを水道水にスポイトで滴下しますと,色素入りの食塩水が下方に沈んでいくのが見られます。これで,食塩水が水より重いことがわかります。
また,サイダーびんに水を入れた場合と,同じびんに食塩水を入れた場合の重さを,台所用ばかりで計って比べれば一層はっきりします。このような方法は,6年生で学習する湯と水の重さへと発展させることです。すなわち,色水を,スポイトで湯の中に少しずつ滴下し,暖めた色水を氷で冷やした水に少しずつ入れて見れば一目りょう然です。理科への興味を高めるには,あせらず1つ1つを理解させることが大切です。

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