親と教師の教育相談室-142/201page

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140.上手な「あぶり出し」の方法は
【問い】上手な”あぶり出し”の方法について教えて下さい。

【答え】”あぶり出し”にはいくつかの方法があります。一般にいわれている方法は,果汁を使っての方法です。ワラ半紙に果汁を使って筆で絵や文字を書き炭火などであぶると書いた部分の色が褐色から黄までの色を呈してきます。この方法は,小さな子供にも安心してやらせることができます。このとき用いる果汁は酸味の強いものほど濃くあらわれるので夏ミカンやオレンジなどが適当かと思われます。1回書きであまりよく出ないときは,ずれないように注意し2,3回重ね書きをすると一層よく現れます。この反応は酸によるものと考えられますが,ジャガイモやダイコンなどの汁でも現れますので,有機物が酸化や熱分解によって有色物質を生じ,それによって着色する場合が多いといわれます。また果汁や植物汁を用いたときよりもはっきりと現すのには,硫酸などのうすい酸性液を用いるとよいでしょう。酸性液には紙の黒化点(炭化点や分解点)を低くする性質があるからです。酸性液で書いたワラ半紙を乾かしてから炭火などであぶると,液をつけた部分がつけない部分よりも早く炭化するため果汁のときよりもはっきりと現れてきます。
例えば,硫酸を40〜50倍に水でうすめた溶液を使用してもよいでしょう。硫酸は紙,木綿,砂糖などのような炭水化物に作用し,炭化する性質が強いからです。このほかにも薬品を用いての”あぶり出し”といわれるような方法もありますが,幼稚園や小学生などの子供にやらせる場合は,安全な酸味の強い果汁を用いる方法が最も適していると思われます。

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