親と教師の教育相談室-143/201page

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141.植物の野外観察や収集の注意
【問い】植物の野外での観察や採集のしかたについて,どんな注意をしたらよいでしょうか。

【答え】かけがえのない地球の自然がこわされ,失われていくことに,多くの人たちが気づいて豊かな自然を取りもどそうと努力しています。人間も自然の一員なのに,自然のバランスをこわしたのですから,そのむくいは結局,人間が受けねばならなくなったのです。だからといって「採集はダメ」ときめつけて,自然から遠ざけるのはよくないことです。
自然のしくみは,自然から学びとることです。生きものたちとのふれあいから,自然と人間のかかわりあいを見つけ,そのしくみのすばらしさに気づき,生きものを大切にする心が生まれ,余分な採集はせず,採集したものは標本として大切に保存する習慣が身につくものなのです。
採集は自分の力でできる身近なところがら始めます。また植物が育つまわりのようすも見きわめる習慣をつけると,同じものを集めてあとで捨てるようなこともしなくなってくるでしょう。採集する植物はできるだけ花,葉,クキ,根がそろったものがよいのですが,大きいものは特徴となる部分だけをとり,長いものは折りたたみ,なるべく群がって生えているなかからえらんで採集します。採集した植物には番号ふだをつけ,ノートにその番号の植物についての観察を書きこんでおくと便利です。採集した植物は,その日のうちに整理しましょう。植物の形を整え新聞紙にはさみ,積み重ねて最上段に板をのせ,重石を置きます。1日に2回,数日続けて新聞紙をとりかえ,葉やクキが折れるようになれば完成です。台紙に小さな紙でおさえ,でき上がった標本を見ると,書物などからの知識からでは得られない感動と愛着がわいてきます。この気持ちを大切にしてください。

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