親と教師の教育相談室-148/201page

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146.幼児画の描かせ方
【問い】5歳になる長女は,絵が大好きで,絵をかかない日はないくらいです。でも,できあがったものは,大変粗雑で,特に色の使い方に多少気になる点があります。赤い花を青くしたり,太陽を黒くそめたりすることもあります。幼児期には,どんな点に留意して絵をかかせればよいのでしょうか。

【答え】幼児期の絵画指導で大切なことは,楽しく,のびのびと絵がかける環境づくりにあると思います。無理に教えようとすると,意欲を失い,絵をかくことがきらいになってしまうこともあります。子どもが絵をかくということは,内面の表出であり,言葉や文章では十分言い表すことのできない心や感情の動きを表現する,という重要な意味があります。もし,この活動が停止されるようなことがあると,ストレスが蓄積し,子どもの心の発育を極端にゆがめてしまうことにもなりかねません。
さて,このお子さんは,絵をかくことが大好きとのこと,とても良いことですね。幼児期には,のびのびかかれた絵か,一見,粗雑に見えることがあります。無理に大人の常識を押しつけるようなことはさけて,子ども自身の世界に自由に遊ばせるのがよいでしょう。そして,絵ができましたら,お話し合いされることをおすすめします。
次に色の使い方ですが,あまり心配いらないと思います。絵は心の表現です。見たとおりにかけることが最良では決してありません。かく時の感情や心の変化が,赤い花を青くしたり,太陽を黒くそめたりするわけです。そういう意味で,このお子さんは,非常に感受性の強い,すばらしい表現力を持ったお子さんとお見受けします。
お子さんのすばらしい創造の芽が,さらに成長されるよう心から願っております。

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