親と教師の教育相談室-153/201page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

151.紅茶にレモンを入れると色がうすくなるのは
【問い】先日,紅茶を入れていた長女(小6)に,レモンを入れると色が薄くなるのはどうしてかと聞かれました。このことを納得させるのに良い方法はないでしょうか。

【答え】紅茶にレモンを入れた経験のある人でも,このことに気付いている人は少ないように思われます。このようなことに疑問をもったお子さまの観察力はすばらしいと思います。自然に対する素直な驚きや疑問を大切にして科学する心を育てていきたいものです。紅茶にレモンを入れると色が薄くなるのはレモンの中に含まれている酸味のもと,すなわち酸の作用によるものなのです。ですからレモン以外にも食酢のように酸味のあるものでしたらこのような変化がおこります。
逆に酸味を打ち消すようなものをアルカリといい,これにはアンモニアや重そうと呼ばれている炭酸ナトリウムなどがあります。これらを紅茶に入れますとこんどは色が濃くなります。含まれている色素は紅茶と異なりますが,このような変化がもっと鮮やかに見られるものに赤いシソ,紫のキャベツ,アサガオなどがあります。これらの葉や花びらを指でよくもんで底の白い紙コップに入れて,お湯を少し注ぎますと色が溶けて出てきます。これを2つに分けて,そのうちの1つにレモンの汁を入れますと鮮やかな赤色になり,他の1つに炭酸水素ナトリウムを水に溶かして加えると青くなってきます。
また,一度酸で赤くしたものにアルカリを加えていくともとの色になり,さらに加えると青くなってきます。このことから,酸とアルカリを区別する方法や,物質の変化するようすがはっきりわかります。この実験は家庭でも簡単にできますので,日曜日などにお子さまとご一緒にやってみてください。

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。