親と教師の教育相談室-171/201page

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第7章
その他の相談

168.子供を理解するには

【問い】受け持っている子どもたちを,教師として本当に理解しているのだろうかと時々,不安になることがあります。理解するって,どういうことなのでしょうか。

【答え】子どもを理解するということは本当にむずかしいことです。教師が子どもを理解しようとする場合,ともすると陥りやすい欠点として,次のことが指摘されています。
1)自分の見なれたものや予期した方向で,つい即断してしまう(一歩踏みとどまってはたしてそうかと考えてみることが大事です)2)自分の固定観念でレッテルを張る(問題のある子にレッテルを張ることは危険です)3)第一印象に左右されやすい(外見の中にある心の理解こそ大切です)4)目立つ特徴ですべてをよしとみる(成績のよい子は性格までよいとみてしまいがちです)5)教師,まわりの生徒,兄弟や親と比較して評価する(「兄さんはあんなにすばらしいのに弟のあなたは…」)といったきめつけは子どもに思わぬ傷を与えるものです。
女の先生は一般におとなしい子どもを好む傾向があるといわれています。一見「よい子」にみえても,心に悩みをもっている場合もあります。「ダメだ,ダメだ」と思うより「すばらしい,すばらしい」と思って接すると,本当にすばらしい子に育つ例もあります(ピグマリオン効果)。
一番大事なのは共感的理解です。人間的なふれ合いを通して子供の心に思っていることを,ありのままに理解し受け入れてやることです。これは教師の態度の問題です。教える教師と教わる子どもというより,人間として対等にともに学ぶという関係の中で,子供ははじめて「心を開く」のです。この共感関係の樹立は同時に指導・教育だともいえるわけです。

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