親と教師の教育相談室-172/201page

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169.共働きと子供の問題について
【問い】小学2年と,4年の女子を持つ母親です。パートで働くことになりましたが,共働き家庭の子に,問題行動が多いと聞き心配です。どのような配慮をしたらよいでしょうか。

【答え】まず,パートに出る事情を,納得がゆくまで,子どもと話し合ってください。話し合いの中で,子ども自身が,家庭内での位置と役割を理解するようにしたいものです。理解すれば,夕食の準備も手伝うようになることでしょう。4年生にもなれば,家事のことは,かなりのところまでできます。責任を持たせ,自分も家のために働いているのだ,という自覚を持たせましょう。
この機会に,家庭における基本的生活態度を身につけさせたいものです。火の始末から戸締まりの確認,その他来客の接待,電話の応待などが必要です。いつ,なにが起こるかわかりませんから,近所の方に,子どものことを,よく頼んでおきましょう。
子どもに手伝わせているという気持ちから,「金」で愛情を償おうとしがちですが,子どもの自主性と役割分担の自覚という点からは,あまりおすすめできません。
親と子がいっしょに努力する家庭の「生活目標」を,つくってみてはどうでしよう。
また,日曜日などは「家庭の日」とし,努力して心の触れ合いを深めたいものです。
ご質問のように,共働きだからといって,子どものしつけが,おろそかになるとはかぎりません。要は,仕事を通しての親子の触れ合いが,大切なのです。
人間に最も大切な協調・寛容・耐性は,家庭の中で,親子の仕事を通して,子どもが親の労働を理解し,親を思いやるところがら生まれるのです。そういう意味で,お宅の場合は,家庭教育の絶好の場が設けられたと考えてはいかがでしょうか。

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