親と教師の教育相談室-173/201page

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170.善悪の判断がつく子供にするには
【問い】今春,小学校に入学する子をもつ両親です。善悪の判断のつく子に育てるには,どうしたらよいでしょう。

【答え】入学期などの機会にご両親そろって,子どものしつけに関心を寄せられることは時宜を得たことです。
小学校入学のころの子どもは,一般に,まだ,幼児期の自己中心的な考え方が,かなり残っています。学校での規則的な生活や友人との遊びなどを通して,周囲が自分の思い通りにならないことを知ると,心の動揺から,今までみられなかったさまざまな反応を示す子もいます。自己中心の考え方からぬけだし,他人の立場を認めたり,理解したり,人格を尊重する傾向は,よほど学校の友達に慣れてから現れるのが普通です。まして善悪を判断することは,かなりむずかしいことだと言えます。
まず,おとなが善悪の区別をはっきりしてあげることが大切です。この時期の子どもは,おとなに対して絶対的な尊敬と信頼をもっていることを,おさえておくべきでしょう。おとなから与えられたきまりは,変えることのできないものとして守ろうとします。また,おとなから認めてほしいということから,おとなの与えるものに,忠実に従おうと努力します。なぜ,規則を守らなければならないかというような,すじ道を立てての考え方はむずかしいことです。
したがって,まず第1に,両親は一貫した賞罰や是認,否認を行うことによって,望ましい行動の仕方を教えてやることが基本となります。第2に両親の言動が一致していることが必要です。第3に子どもとの対話に,真実を述べる態度が大切です。思わぬ「だじゃれ」などが,子どもに,あやまった判断を与えるもとになることもあります。いずれにしろ,親子の間に温かい親密感があり,意思の疎通のあることが前提となるでしょう。

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