親と教師の教育相談室-181/201page

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178.学級の組み替えの目的は
【問い】小学校3年生の娘ですが,4月から組み替えになって,受け持ちの先生や級友たちが変わったせいか,今までの明るさがなくなり心配しています。間違った接し方をしないために,なぜ組み替えをするのか,お教えてください。

【答え】小学校では,ほとんどすべての学校で,6年間に1回ないし2回の組み替えを行っています。それは主に次のような目的からです。1)まず,子どもたちに異なった級友と交わることによって,今までにない刺激を与え,異なった環境への順応性とだれとでも仲良くすることができる豊かな人間に成長する素地を培うためです。2)また新しい級友を得ることによって,今までよりもずっと行動の範囲が広く,行動の仕方も多種多様になり,いろいろな場面で,協力し合う精神や忍耐する力,あるいは物事の正邪,善悪を識別する判断力などが要求されます。このような経験を与えて,健全な社会人になるために必要な諸条件を身につけさせるためです。3)さらに,学級間には,学力や性格,あるいは身体的な問題などいろいろな点で不均衡が生じます。そのため組み替えによって,各学級をできるだけ等質化し,同一歩調の学級経営ができるようにする目的もあります。これによって子どもたちは公平な教育環境,教育条件が与えられ,調和のとれた人間に成長していくことにもなるのです。しかし,ご心配のように,組み替えには,受け持ちの先生や級友たちについての不安があり,新しい学級に適応できないで,沈み込む子どももいます。従って,まず子どもの不安感を取り除いてやることが大切です。組み替えのもつ教育的な目的を十分ご理解くださり,大きな観点からお子さまに接していただき,一日も早く元の明るさを取りもどされるよう願っています。

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