親と教師の教育相談室-184/201page

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181.学校の教育目標とは
【問い】授業参観などで子どもの中学校を訪れて気になっていたのですが,教育目標が小学校のと非常に似ているのです。それなりの理由があると思うのですが,お教えください。

【答え】農村には農村の,漁村には漁村の,そして,都市には都市なりの地域的特殊性があり,子どもたちはこのような特殊な環境のもとで生活してると言えます。教育は,この地域的特殊性をふまえたうえで,未来に生きる子どもたちに「このようになってほしい」という望ましい生徒像(児童像)の実現をめざして行われています。地域の自然的環境,そこで生はれ育ってきた児童・生徒の社会的環境・生活体験,さらに教師や父母の子どもによせる期待など,地域性や学校,児童・生徒を取り巻く諸条件を考慮して教育目標は生まれてきたのです。
お尋ねのように,小学校の教育目標と似ているのは,この地域性からいって当然のことと言えます。子どもたちの心身の発達段階により,その目指すところはもちろん違いはあるでしょうが,同じ地域で,同じような生活体験を繰り返しながら成長してきた児童・生徒ですから,教育目標が小学校と中学校で著しく異なるということは,むしろ適切でないとも考えられます。
例えば「勤労の尊さを知り,実践する態度」は,汗を流して働く生活場面や,体験の少ないと思われる地域の児童・生徒に対し小・中学校教育を通じて達成すべき目標です。
知・徳・体の調和のとれた心身ともに健全な児童・生徒の育成をめざした小・中学校教育の一貫性,子どもをとりまく地域ぐるみの教育の重要性が最近強く叫ばれているのも,このような地域性を考慮した考えによるものです。

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