親と教師の教育相談室-186/201page

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183.学習機器の使い方
【問い】子どもの成長に伴い家庭での学習を十分見てやることができなくなりました。1人で学習するための機器などが販売されているということですが。

【答え】学年が進むに従い,学習の内容や量もどんどん増えてきて,そのすべてを見守ってやることはなかなかできなくなってくることは当然です。しかし,考えようによっては子どもが自立する良いきっかけになるとも考えられます。
個別学習のための機器にもいろいろありますが,一般には,カセットテープや,裏面に録音できるシートなどに,説明や問いかけ,あるいは学習の方法,解答などが録音されており,テキストを見ながらそれを聞いて進めるという,視聴両面からの学習ができるものが多いようです。自分でボタンを押しながら学習していくわけですから,自分の力に合ったペースで進めることができるわけです。また,学習の内容も一歩一歩確実に進めていけるように段階的にプログラムが組まれています。
しかし,この種の機器でも学習を進めるのは,あくまでも子ども自身で,機器を購入したから学力が上がるとは限らないのは当然です。その成果は,なんといっても子ども自身が学習意欲があるかどうかにかかっています。すぐあきてしまったり,ほかのことに注意が向いてしまう状態では向上は望めないでしょう。
子どもを長い目で見つめながら,学習だけでなく,家庭での仕事においても積極的に取り組み,最後まで独力でやりぬく体験を数多く得させていくことが大切です。それによって,本物の学習意欲を育てていくのが先決です。時間はかかっても,自力で難問を解決していくという「強い子」を育てていくことが大切であり,成果だけをあせって,盲目的に個別学習機器にのみ頼ることは,危険な面もあることを知っておくべきでしょう。

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