親と教師の教育相談室-188/201page

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185.親子の対話のあり方
【問い】中学3年の男の子ですが,先日「家庭の日」に親と子の話し合いをしたところ,途中で怒ってしまい,けんか別れのようになりました。親と子の話し合いをうまく進めるには,どういう点に注意したらよいでしょうか。

【答え】共働きで,日ごろ子どもとゆっくり話し合うことができないため「家庭の日」を活用して親と子が話し合いをするということは,大変ほほえましくいい計画です。うまくいけば,きっと子どもの日ごろの不平・不満は解消され,親への信頼感・尊敬の念も一層強くされて,子どもはあすからの生活に自信と張りをもつことでしょう。しかし,一歩誤ると,親と子の間にしこりができる心配もあります。
まず,生活をともにしている親子の場合は,改まって話し合いの時間を設けると,どうしても構えができ,意識し過ぎて形式じみた話し合いになり勝ちです。従って,毎日の生活の中で,自然と親子の話し合いが生じるように,親はいろいろな場面で配慮することが先決です。
次に,話し合うときに注意したい点は,1)子どもと同じ座に立つということです。「聞いてやる,教えてやる」という立場からでなく,子どもと対等の姿勢・ともに考える立場で話し合わなければ,今の子どもは心を開かないでしょう2)また,話は親子交互にすることです。とかく親は,このときとばかり一方的に話し続けることがよくありますが,交互にやりとりするところに,親子の相互理解・心の交流が図られるのです3)さらに,間をとることも大切です。途切れなく話し合うのではなく,間を置き,子どもに考える時間を与えることが必要です。それによって,子どもの創造的な思考力が培われ,自己啓発の機会が与えられるからです。
また,間によって,親のことばは子どもの心により深くひびくものです。

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