親と教師の教育相談室-189/201page

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186.端午の節句の由来は
【問い】中学2年生の子供から,端午の節句の由来について聞かれたのですが,うまく説明できませんでした。その由来について簡単に説明してください。

【答え】わが国の年中行事は,ほとんどが農業暦によっています。その日は,一年の折り目に当たる時で節と呼ばれ,1月7日,3月3日,5月5日,7月7日,9月9日の5節句がその代表的なものです。5節句は,中国の唐代に固定化して,わが国に伝えられ,江戸時代に一般に普及したといわれています。
5月5日は,端午の節句とも呼ばれます。端は,はじめという意味で,端午は月のはじめの午の日という意味です。
端午の節句は,現在,男の子の祝いの日とされていますが,本来はそうでなかったようです。「旧暦5月は,さつき」であり,田植え月とされています。田植えをはじめる前は,きびしい物忌みが要求されました。これは,田植えにやってくる田の神を,女たちが巫女の資格で迎えるため,男たちを退け,家にこもって精進する日であったといわれています。
端午を男の節句とした源流は,奈良時代,5月5日に宮中で騎射を行ったことにはじまるといわれています。これは厄病神を追い払う武勇の催しであったが,そこから男の子の出世と無事を祈る祭りとなり,武者人形や武具飾りが行われはじめました。武家の時代になってからは,流鏑馬などが行われ,一般にたこ上げなど勇壮な行事が端午に集中するようになりました。
さらに,端午の節句に菖蒲湯に入る風習などがありますが,これは菖蒲に悪魔を除く力があるとの考えから行われてきたものです。この菖蒲と尚武の音通しからも端午の節句が男の子の節句とされたと言われています。

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