親と教師の教育相談室-193/201page

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190.アナライザー教育とは
【問い】アナライザーという機械を使った授業を参観しました。こういった機械で教育されてしまうことにいちまつの不安を覚えるのですが…。

【答え】アナライザーは集団反応分折装置とも呼ばれ,子どもの一人ひとりが,3つから5つのスイッチがついた子機を持ちます。そのいずれかのボタンを押せば,教師側にある親機にどの子が何番のボタンを押したかが表示され,さらにそれを記録できる仕組みになっています。
先生が問題を出し,それに対して子どもが,示された解答群の中から正しいと思うものを選びボタンで解答する。そしてその反応状況を直ちに記録してしまう。確かにこんな場面だけみるとなんと冷やかな味気ない学習だろう…と思われるかもしれません。
これまではテストなどによって学習の達成状況や指導の欠陥などを見いだし,善後策を講じていました。だが,その処理には時間を要し,指導の好機を失ってしまうことが多かったのです。舞踊の研究家は鏡を師としているということですが,教師にも指導の姿が映る「カガミ」が必要なのです。
学習の見通しがつかずに迷いつづけている子はいないか,発問の意図は十分理解されただろうか,教材の提示の仕方は適切であっただろうか,つまずきの原因は…など。その場でみつけ,直ちに適切な手だてをとらねばなりません。一人ひとりの子どもを生かすために教師のカガミであるアナライザーが必要なのです。
「見切り発車」「落ちこぼれ」などをなくし,充実した学習がすすめられていくためにも生かしていきたい機械の1つで,決してテストマシンではありません。
教師にとって子どもを評価するということは,自身を厳しく評価することであり,そこにこそより良い授業改善への出発点があるわけです。

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