親と教師の教育相談室-199/201page

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196.円滑にPTAを運営するには
【問い】古くからの土地の人と新しい団地の人との意見がかみ合わず,PTAの運営に苦慮しています。

【答え】戦後,学校後援団体から脱出したPTAが,最近は公費増額運動団体になったりPTA連合組織の活動団体に終わったりして,PTA本来の活動を見失っているのではないかという批判もあります。あなたの学校のPTAのように,住民意識の多様性や地域性により,対話や共通理解の不足から,意見がかみ合わず,ともすると感情的な対立まで発展するPTAも少なくありません。こういうPTA役員の苦労は,本当に大変なものでありましょう。
親が子どもを学校に託すのは,個々の教師の教育活動のみならず,公教育制度としての組織的な教育活動を展開する学校を信頼しているからと考えられます。子どもの幸せを願って,父母と教師が組織するPTAも,その意味で大きな役割を担っているのです。
学校とPTAは,車の両輪にも似た関係で成り立っていますので,一方の車輪がうまく運営されなければ,子どもの健全な育成は望めないことになります。
PTA運営に当たっては,親の自我や見えを捨て、一人ひとりの会員がPTA本来の役割を理解し,自覚を持って参加することです。どんな事業や活動が,会員相互の資質の向上と子どもの育成に役立つのかを見直し,具体的な事例をもとに協議を重ね,一つ一つねばり強く解決していく過程で相互理解を深め,協調的態度を培っていくことが大切かと思われます。
地域の実態に応じた特色ある教育活動を展開することが,これからの学校教育の課題といわれます。PTA本来の役割を十分考え,学校と協力し合って,よりよい子どもの育成に努めてほしいものです。

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