理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-009/139page

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3 生徒の観察・実験

(1)特定事象についての観察・実験

1.力の概念その1

1 ねらい

 静止している物体に,2つ以上の力がはたらきつりあっているときは,物体の静止状態は変わらない。ここでは,力の合力,力のつりあい,作用・反作用について十分な理解を深める。

2 準備

 つるまきばね 滑車 おもり ばねばかり ゴムひも 糸 ものさし スタンド

3 実験

〔実験1〕

図1
ゴムひもにはたらく力F1,F2の大きさと向き

 合力

(1)方法

 1)図のように,一端Pを固定したゴムひもの他端に2本の糸をつけ,滑車をとおしておもりをつるす。このとき糸を結んだ点の位置をOとし,ゴムひもにはたらく力F1,F2の大きさと向きとを図示する。
 2)つぎに,糸を一本にして滑車をとおしておもりをつるし,糸の結び目が前と同じように点Oにくるようにする。このときの力Fを前の図に重ねて図示する。

(2)結果と考察

 1)作図をして, F=F1+F2 なることを確かめる。
 2)合力の大きさと向きは,力の平行四辺形の対角線で表されることを認識させる。

(3)留意点

 1)O点の結び目の位置は,おもりの重さによっても,ゴムひもの強さによっても変化するので,結び目が適当な位置にくるように,ゴムひもを2本で一つの輪にしたり2本つないだりして工夫する。
 2)この実験の特徴は,2力の合成を,3力のつりあいよりもさきにつかまえさせることができるという点にある。

〔実験2〕

 一点にはたらく力のつりあい

[その1] 3力のつりあい

図2
おもりを調節して,3力によるつりあいの状態

(1)方法

 1)おもりを調節して,3力によるつりあいの状態をつくる。
 2)軽い厚紙片上に,それぞれの力の作用線を作図しその上に力の大きさに比例するベクトル図をつくる。
 3)おもりの数を変えて同じように作図してみる。


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