理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-018/139page
図7
(検討)
(3)不完全な共振の場合
図8
この場合は,エネルギー全体では減小傾向が大きくなり,エネルギー保存の立場から見ると,力学的なエネルギーが他の内部エネルギーに変換されているとみることもできよう。(図8)
(4)抵抗の多い場合の振動〔方法(10)〕
位相のおくれ,周期の増大へとつながっていることがわかる。(図9)
図9
(5)〔方法(12)〕
図10
(6)エネルギーの吸収について,単に他のエネルギーに変換されたということではなく,変換されるためにはこの様な共振という現象があり, 1)吸収率には,これが大きく響く要素であること。 2)完全に吸収された場合,その物質から,外の方にはエネルギーが移動できないこと。 3)エネルギーは空間に発散し広がりをもつように考えられるが,これは力の場,電界,磁界などの関連において考えなければならないこと。 4)身のまわりにある現象を特定し,その現象に対する考察にまで発展させることができれば,すばらしいことである。
5 留意点
この実験は,力学教材を電磁気学教材に結びつけ,物理現象を総合的に把握させることにねらいがある。ベーシックな IC 技術などと組み合わせて,興味のあるものにさせたい。
類似テーマとして
1 定常なエネルギーを非定常なエネルギーに変換……キツツキモデルの研究。(位置のエネルギーが振動のエネルギーに変る場面)
2 重力の位置エネルギーと運動エネルギーと電磁エネルギーの保存関係などに視点を変えることもできよう。