理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-023/139page

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5 水の物性を調べる

1 ねらい

 水は身近な物質でありながら,極性を有するなど,分子性化合物の中ではかなり特異な性質を示している。すなわち,固体の体積は液体より大きく,沸点や融点も他の同じような分子量をもつ物質に比べてかなり高くなっている。また,状態変化に伴う熱量も極めて大きい。このような水の特異性を,実験を通して多面的に調べさせるとともに,温度計の正しい使い方等実験の基本操作を習得させたい。

2 準備

 標準温度計(50〜110℃),温度計(−20゜〜50℃ 1/10目盛),水銀温度計(−20℃〜105℃)液体温度計(−20℃〜105℃),ビーカー,スタンド,融点測定管,コルク栓,ガラス管,沸騰石,ろうと,メスシリンダー(200ml),発泡スチロール,天秤(感量 1/100g),三角フラスコ,サーモカップ,丸底フラスコ(100ml),マグネチックスターラー

3 方法

〔実験1〕水の融点と沸点を測定する。

図1
水の融点と沸点を測定

(1)沸点測定の実験方法

 1)融点測定管に合うコルク栓に,温度計用の穴(2個)と蒸気用の穴をあける。
 2)図1のように,標準温度計と検定のための温度計をつける。
 3)純水を入れ,沸騰石(素焼きのかけら)を入れる。
 4)温度計の球部を純水より2〜3cm程度はなして,ガスバーナーで徐々に加熱する。沸騰してから5分間加熱を続け,温度計の読みが一定になったところで記録する。
 5)実験中の大気圧を記録する。
 6)この実験を数本の温度計について行った後,温度計の球部を液に浸した場合についても試みる。
 7)この実験を100mlの丸底フラスコを用いて実験する。

(2)沸点についての実験結果と考察

 1)実験の結果の記録

  ア.大気圧(764mmHg)
  イ.測定結果

  蒸気の温度 液の温度
  標準温度計 温度計 1 温度計 2 標準温度計 温度計 1 温度計 2
融点測定管使用 100.0℃ 99.7℃ 99.8℃ 100.4℃ 100.0℃ 100.0℃
丸底フラスコ使用 99.7 99.0 96.5 100.0 99.4 97.5


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