理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-030/139page
間継続して行う。
(2)実験結果
測定結果を一覧表に記入し,水道法施行規則第六条第三号の基準(給水栓における遊離残留塩素が 0.1PPM 以上,結合塩素の場合は 0.4PPM 以上保持するよう塩素消毒すること)に適合しているかどうか確認する。
〔実験3〕 水道水中の塩素の残留性
(1)加熱の影響
1)実験方法
ア 水道水を5〜10分間放流した後,残留塩素を測定する。
イ 次に 1l のビーカーに, 500ml の水道水をとり,一端を封じた毛細管を数本入れ,アスベスト付金網を用いて, 600W の電熱器で加熱する。加熱開始後,3分ごとに温度を測定し約 15ml の検水を試験管にとる。冷却する間,試験管を黒い紙でおおい,光による影響を避ける。
ウ 放冷後,残留塩素を測定する。(この場合は光電比色計を用いて定量した方が良い結果が得られる。)
2)実験結果の例と考察
経過時間(分) 0 3 6 9 12 15 18 21 24 27 温度℃ 15℃ 22℃ 35℃ 48℃ 64℃ 79℃ 91℃ 97℃ 98℃ 98℃ 吸光度1(×102) 16.8 16.1 14.9 14.9 12.5 8.6 2.6 0.5 0.2 0 吸光度2(×102) 18.4 18.1 17.9 16.2 14.3 9.2 3.2 0.4 0.2 0 ※ 吸光度 1:遊離塩素 吸光度 2:残留塩素
加熱時間と残留塩素
(2)活性炭の影響
1)実験方法
ア 長さ45〜50cm,内径 2cm のガラス管の一端に,外径 6mm のガラス管を差し込んだゴム栓をつける。次に,内側より,ゴム栓の上にガーゼを敷く。
イ ガラス管に,乾燥状態の活性炭 60g を入れる。(使用する活性炭としては,魚飼育用のもの等が適当である。)
ウ 次に,下から流出する水が透明になるまで,上方より水を流して,活性炭を洗浄する。
エ 不透明なゴム管を用いて,検水を,活性炭をつめたガラス管の上方より流す。
オ 15秒間に流れる水の量を測定して,流量を決め,活性炭を通した水の残留塩素を測定する。流量を加減して,いろいろな流量における活性炭の効果を,流出した水中の残留塩素の量によって調べる。
カ 市販されている水道蛇口用の小型の活性炭入りのアダプターについても同じように実験する。