理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-038/139page

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 3)塩の影響
 方法 1本の試験管には約2cm の高さまで,もう1本には約6cm の高さまで5% 食塩水を入れ,各々に鉄釘(4cm)を1本ずつ入れる。
 結果 どちらも腐食される。特に水面部分の腐食が激しい。腐食には水分,酸素が関係し,塩化物イオンは腐食を促進させる働きのあることを把えさせる。

〔実験2〕 腐食現象の説明

腐食の機構を調べてみよう。

(1)方法(その1)鉄板による腐食現象

 1)鉄板の表面をよく紙ヤスリで磨き,きれいな布でふく。
 2) 5%NaCl 10ml に1%フェノールフタレイン溶液3滴と 1%K3〔Fe(CN)6〕1ml をまぜた液(A液), 5%NaCl 10ml に窒素を吹き込んだ後に上記試薬をまぜた(B液), 5%NaCl 10ml に酸素を吹き込んだ液に上記試薬をまぜた液(C液)を準備する。
 3)駒込ピペットでA,B,C各液1ml を鉄板上3個所にのせ観察させる。

(その2)鉄粉による腐食現象

 100ml ビーカー2個に食塩水100ml ずつ入れ,一方には 1%K3〔Fe(CN)6〕3ml 加える。両ビーカーの液面に薬さじ半分ほどの鉄粉を静かに落とし液面に浮かせる。

(2)結果と考察

(その1)

 1)A,B液の変化はほとんど同じ傾向を示す。
液をのせると直すぐに中心が青くなる。約1分経過すると液の周囲が赤柴色部が中心に向って広がってくる。10〜20分で青色部分と赤紫色部分が接近して青色部分の周囲に白色物質を生ずる。40〜60分で白色物質が黄褐色に変化する。C液は直ぐに中心部が青く他の部分全体が赤紫色に変化し,20〜30分で青色部分の周囲に白色物質を生ずる(図2)。

図2 腐食現象

A・B液

腐食現象

C液


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