理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-050/139page
4)マツの葉を用いて,気孔の詰まり具合を調べ,環境汚染の程度を調べてみる。交通量の程度に応じ、調査地点を設け,汚染率を出し地区内での状況を検討してみる。
5 茎の構造を調べる
材料 被子植物では,双子葉類と単子葉類では中心柱構成が異なるので,各々について材料を準備しておくことが必要である。
双子葉類 ホウセンカ,アフリカホウセンカ,ヒメジョオン,ヤブガラシ,イノコヅチ,ソラマメ,インゲンマメ,コスモス
単子葉類 トウモロコシ,ススキ,タケ(タケノコ),ユリ,ツユクサ,イネ
6 準備及び方法
器具・薬品などの準備は葉の場合と同じ。徒手切片のつくり方は,ほぼ葉の場合に準じて行えばよい。やわらかくて切りにくい時は,ピス(ニワトコの髄,市販品あり)やダイコン,ニンジンなどにはさんで切り,なるべく薄い切片を十分な数だけ用意しておく。カミソリの刃は十分切れるように,刃の片方から順次ずらして切るようにし,新しい部分を使っていくようにする。固定や染色の方法も葉と同じである。
7 結果と考察
茎の構造
双子葉類の茎 単子葉類の基
A
B
C
図 単子葉類と双子葉類の茎の構造比較
A 横断図 B 管束の走り方 C 1個の管束
(1)植物体の葉と根とつないでいるのが茎である。茎は根から水分や養分をはこび,また体を支える重要な器官である。内部構成は一般に,表皮系,維管束系及び基本組織系から成る。
(2)表皮系は,茎の外面をおおって内部組織を保護している細胞層である。
(3)維管束系は,水分,養分の運搬路として,管状の木部・師部が中心に配列されている。
(4)基本組織系は,表皮系と維管束系を除いた部分である。
草本茎では皮層と髄が発達し,内皮に囲まれた中心柱の発達がみられる。この茎の中央部を占める中心柱は,構造が複雑で植物の種類や生活形によって著しく異なっている。
1)表皮細胞の形や細胞層は,葉とくらべてどうか。クチクラや葉緑体について調べ,また表皮の変形による毛の細胞について,形や数,はたらきについても調べておく。