理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-051/139page

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 2)材料によっては,基本組織系の中の機械組織として,厚膜組織や厚角組織がみられる。これらは何のために存在しているのだろうか。
 3)維管束の配列は,材料によって異なっている。維管束の型にはどんな種類があるか。
 4)木部の道管がはっきり確認,識別できるか。ホウセンカなどで縦断切片をつくり,道管の種類を調べてみる。師管や形成層の存在を確認しておく。
 5)中心柱の基本的タイプをまとめる。

参考 中心柱の発生 ―維管束の形成―
 維管束は,はじめの茎の生長点のところに生じた前形成層の分化によりつくられたものである。シダ植物及び単子葉植物では,この初生師部及び木部の発達によって完全に前形成層の分化が終り,第一次組織として使われる。従ってそれ以上の肥大生長が行われない。
 初生師部と初生木部との間に残ったせまい部分が,分裂組織としての形成層である。形成層の分化により,次生師部と次生木部とがつくられる。裸子植物及び双子葉植物(木本茎)が年々肥大するのは,この第2次肥大生長によるわけである。
 被子植物の単子葉類と双子葉類の草本茎についてのまとめは次の通りである。

     単子葉類草本茎
 1.不斉中心柱(維管束は環状に配列せず,多数散在している)
 2.各維管束は並立型
  中央部は太くて疎,周辺部は小さくて密集,外側が師部,内側が木部となる。
 3.形成層がない。
  前形成層が完全に分化して,分裂組織を残さない……閉鎖維管束
 4.茎の肥大
  生長点,分裂組織でのみおこ る。
 5.内皮を欠くことが多い。
  中心柱との境が不明瞭である。
     双子葉類草本茎
 1.真正中心柱(維管束は環状配列)
 2.各維管束は並立型
  外側が師部,内側が木部となり、間に形成層がある。
 3.形成層輪をつくる
  束内形成層
  束間形成層
 4.茎の肥大
  生育期間短かいため,形成層輪ができても機能発揮せず,独立した維管束が,中心柱の周囲に環状の配列をしている。
 5.表皮,皮層,中心柱が明らかに区別される。


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