理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-054/139page
13.地表での太陽放射エネルギーの流れ
1 ねらい
地球表面の大気の状態(気温・湿度など)や大気の運動(風)など多様な変化を起しつづける源は太陽放射エネルギーである。
ここでは,簡単な観測器で地面温度・気温・水温・湿度・水平日射量などを測定し,気象の調べ方の基本を身につけるとともに,大気中の現象や地表でのいろいろな変化をエネルギーの流れとして見ていくのがねらいである。
2 準備
(1)地表付近の気温鉛直分布測定装置(図1)
地表から高さ160cmまでの気温を20cm間隔で測定するもので,図1のようにアルコール温度計を取りつける装置。
(2)地表面の温度,容器中の水の温度,蒸発量を測定する装置
水容器は口径20〜30cmのポリ容器(日用品売場・安価なもの)に前日より200cc ほど水を入れておく,なお,容器は発泡スチロールなどで,断熱する。
蒸発量の測定に用いる容器は口径8〜10cm のシャーレ
(3)太陽高度測定器,簡易日射計(図2,3)
太陽高度測定器や簡易日射計は図2,図3のような装置で簡単に自作できる。
図2は,分度器とピアノ線を図のように折り曲げて作ったもので,ピアノ線Aの影がピアノ線Bと一致したときの角度が,その時の太陽の高度である。
図3は,市販の水道鉄管を20cm の長さで切断し,底抜(塩ビ板)をはりつけ,管の表面はつやなし黒ペンキで仕上げた日射計で,発泡スチロール板に浅い溝をつくり,溝に日射計をセットして水平な所に置く。
図1
地表近くの気温測定装置
図2
太陽高度測定器
図3