理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-058/139page
同一時刻に同じような観測方法で気温を観測させればよい。
せまい範囲で地形網を設置せねばならず少人数,少さい観測器の場合,1人で数ヵ所を担当しなければならない場合もでてくる。
このような観測方法をとる場合には,あらかじめ,調査範囲内で調査時刻にあわせて,5分間隔で気温を観測しておく(下図)
ある生徒がA地点を13時に,次のB地点を15分に観測して28.1℃であったとする。調査地域は比較的せまいので,どこでも一様の温度変化があったと仮定して,13時は13時15分より0.1℃低くなるので,B地点の13時の気温は28℃と推定できる。
時刻 気温(℃) 13:00
13:5
13:10
13:15
13:20
13:25
13:3027.4
27.4
27.3
27.5
27.6
27.7
27.8実習の手順
a 観測点をきめる…………その附近の平均の気温を示すと思われる場所を選ぶ。
b 観測のしかたをきめる… 直射日光をさけるため日よけ板を用い,地表面からの高さを一定にする。温度計は3分間放置した後で気温を読みとる。
c 温度計の補正……………アルコール温度計は器差があるので,補正の方法を考えさせ,補正値を求める。
結果と考察
(1)資料の整理
a 観測値に器差補正を行う。
b さらに,時刻の補正を行う。
c 気温分布図を作成する
分布図に等温線を引く場合に,0.1℃おきのようにこまかく区分しても意味がなく,0.5℃おき程度で等温線を引くとよい。また,高温帯,中温帯,低温帯と色分けする方法もある。
(2)考察
温度分布に建物やアスファルト道,樹木など被地状況がどのようにあらわれるかが考察のポイントになろう。
また,研究を深めるためには,晴れの日,曇りの日,風向によって高温域や低温域などがどのように変わるかも興味深い問題となろう。
図8,図9はそれぞれ県教育センター内の晴れの日と曇りの日の気温分布図である。
〔実習2〕
郷土の気温分布が地形とどのようなかかわりをもっているか。
図9
1977年 6月9日 10:00 うす曇 風向 SW 風力 1