理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-060/139page

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15.地震波の伝わり方

1 ねらい

 地震波は,地殻やマントルの上部で起った急激な破砕現象に伴って発生する。この振動現象の記録から,地殻における地震波の伝わり方,地下構造さらにはこの破砕をひき起こした力の加わり方などについての情報を得ることができる。
 ここでは,地震計の記録を資料として,次のことがらについて考察する。

(1)等発震時線図・震度分布図などを作成し,これから地震波の伝わる状態を推論する。

(2)観測データから震央の位置を決定する。

(3)震源にはたらく力の方向を推論する。

表1 観測データの整理例

観測点 P波到達 時刻 tp S波到達 時刻 ts 震大距離  km P波の初動の向きと大きさ(μ) 震度階
N−S E−W 水平成分 合成値 U−D
                 
                 
                 


2 準備

・観測データ(震源の深さが比較的浅い中・大型地震の場合が望ましい)
・白地図(200万分の1),・ものさし,・コンパス,・分度器

3 実習

〔実習1〕

(1)方法
  表1のデータをもとにして,白地図に地震波の到達時刻を記入し,それをもとにして等発震時線図を作成する。
  同データにより震度分布図を作成する。
  またP波の初動の向きと大きさから水平成分合成値を求め,その方向と大きさを白地図に記入する。

観測データ

等発震時線図

(2)結果・考察
  図2の到達時刻線図から地震波はほぼ同心円状に伝わる。こと,振動のエネルギーは,震央から遠


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