理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-063/139page

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4 結果・考察

(1)振り子時計への影響の程度と地形面との関係を考察した例
  図6は,1964年6月16日,福島市南部での調査例である。
  形成年代6370±110年前とされる低位段丘面での振り子時計の停止率が高い。これは形成年代21000±850年前とされる中位段丘面と比較して,たい積物が軟弱であることが原因と思われる。このたい積物の軟弱さの度合いなどはN値などを用いて考察させるのも効果的である。

(2)棚などの上に置かれた不安定な物体の落下状況と地形間の関係を考察した例
  1965年9月18〜19日(17日21時08分震度1,同23時23分震度3,18日0時19分震度3,同1時21分震度4)福島市南部で棚の上の物体の落下状況の調査結果は表2のようになる。このデータからもたい積の軟弱さの度合いと地震の影響度の関係をひき出すことができる。
  この結果から造成地では不安定なところが多く,防災上問題があることなどを考察することができる。
低位段丘面 中位段丘面
ほどんとのものが落下 3 0
半数程度が落下 43 19
一部分が落下 30 17
落下しない 27 64

5 留意点

 地震災害を調べるには,その発生時期や規模を予測することができないのでその現象が起ったときただちに調査が可能なように準備をしておくことが必要である。
湿地水田造成 畑地原野造成 古い宅地
水があふれた 16 9 6
水があふれない 14 21 4
影響出現率(%) 53.3 30.0 20.0

図6 振り子時計への影響と地形面との関係
振り子時計への影響の程度と地形面との関係を考察した福島市南部での調査例

(1.低位段丘面 2.中位段丘面 3.山地 4.時計止らない 5.時計止まる 6.建物の被害あり)  (高橋原閲)
〔参考文献〕
 1)全国理科センター協議会:新地学教材の研究 P134〜137,1977年コロナ社


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