理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-068/139page

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(4)測定の尺度
  花のつくり方を知るために,がく・花弁・花蕊の数,子房の形状などを調べるのと同じように,植物群落の構造を解析するには,一定の尺度が必要となる。方形枠内に出現する植物について,これらの尺度を全部使って測定できればよいが,生徒の実習などではかなりむずかしい。場合によっては,その一部を測定させるだけでもよい。調査の目的によって,必要な尺度をえらんで測定させることがのぞましい。
 1)被度 方形枠内に出現する植物が,地表面をカバーしている面積の度合いを示す。いろいろなあらわし方がある。ふつうは6段階の被度階級に分け,階級値を用いて測定する。(図1)
 2)頻度 出現した各植物の群落内におけるひろがりを示す。
  頻度=ある植物の出現した枠数/設定したわく数×100(%)
 3)密度 方形枠内に出現した植物の個体数。地下部がつながっていても,地上部がわかれていれば複数としてかぞえる。数取器を用いて測定する。
 4)高さ 方形枠内の植物の自然のままの高さを測る。たれている葉をのばしたりしないで測定する。平均値を出す。
 調査用紙には,調査地の略図と各方形区の位置,調査地の土地の状況,方形枠内に出現する植物の分布を図示させたりしておく。

図1 被度階級の表現法
5 1〜1/2
4 1/2〜1/4
3 1/4〜1/8
2 1/8〜1/16
1 1/16〜1/32
1/32以下

4 100〜75%
3 75〜50
2 50〜25
1 25〜5
1′ 5〜1
1%以下

フルトセルナンダー法
フルトセルナンダー法

ペンフォンド ハワード法
ペンフォンド ハワード法

4 結果と考察

 調査用紙を集め,平均被度や頻度を計算してデータを整理する。密度,高さなど必要に応じて測定する。結果は一覧表にまとめ,調査した群落の特徴や変化などについて検討してみる。

(1)植物の成育している土地の環境のちがいで,優占種はどう変っているか。

(2)どの方形区にも出現した植物があるか。

(3)環境のちがいによって,被度(平均被度)に差がみられた植物はあるか。

(4)植物群落は,環境によってどのような影響をうけているだろうか。

(5)ふみつけの多い調査地を立入り禁止区域として長い間保護した場合,どのようになるか予測させてみる。

図2 調査一覧表
植物名\調査地
調査月日
方形区
距離
土地の状況
 
 
1 2 3       平均被度 平均高 頻度(%) 生育型
                 
                 
披度 高さ 被度 高さ 被度 高さ              
                              
                              
                              
                              


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