理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-089/139page
4 留意点
火山性の堆積物である火山灰の中から,火成岩の造岩鉱物を抽出して観察させ,火山灰と火山岩の共通性を考察させたが,火山噴出物の鉱物成分から火山の化学成分を考察する研究に結びつけた指導に発展させることもできる。
また,重なっているなん枚かの火山灰層の鉱物組成を調べることによって,火山のマグマ溜りの状態を推論することもできる。
火山起源の堆積物中の造岩鉱物の顕微鏡的特徴
ルーペまたは生物顕微鏡観察 偏光装置装着顕微鏡観察 鉱物名 開放ニコル 直交ニコル 資
料
1/4
〜
1/8
mm
の
粒
子
透明鉱物 無色・淡色 色調 形状の特徴 へき開断口 多色性 屈折率 干渉色 消光角 無色 不規則形
ときに
円味ある六方錐へき開なし
貝殻状の断口無 1.54
パルサムと近い縁辺部灰色 中心部紅色 急に消光する 石英 無色 柱状・たんざく状
破片は不規則形1〜2方向 のへき開 無 1.53
1.58灰色 斜消光
累帯消光
縞状消光長石 無色〜うすいあめ色 円味のある四角 形,コロコロしてみえる。
米俵状へき開なし
虫くい状の 穴多し無 大
1.65〜1.68縁辺部紅色 中心部灰色 高い干渉色 直消光
急に消光するカンラン石 有色 黒かっ色 〜かっ色 板状
ときに
六角形明らかな1方向のへき開 強い 暗かっ色 〜黄縁色 1.58〜1.65 赤かっ色で 暗い 直消光
ときに
波動消光黒雲母 濃い青緑色 長柱状
針状1〜2方向 のへき開
120゜に交叉濃緑色 〜 黄かっ色 1.64〜1.66 縁辺部で明 るい緑色低 い干渉色 消光角小
25゜〜直消光角セン石 緑色 たんざく状
ずんぐり四角1〜2方向 のへき開
87゜に交叉弱い 緑色 1.74〜1.65 鮮明 縁辺部紅色 消光角大
35゜〜54゜普通輝石 淡黄緑色 うぐいす色 たんざく状
短柱状長軸方向のへき開 淡緑色 〜 黄かっ色 やや不鮮明 直消光 シソ輝石 不透明鉱物 〔注意―
カンラン石は本来オレンジ色の有色鉱物であるが,この粒径で見ると無色〕黒色金属光沢
結晶面明瞭磁鉄鉱
赤色〜れんが色
ひし形赤鉄鉱
乳白色
表面あわだちもよう浮石
黒灰かっ色
コークス状スコリア
黒色〜無色
ガラス状火山ガラス