理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-106/139page

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2 マイヤーの熱と仕事の関係を求める実験

1 ねらい

 日常接している熱現像について,先人たちの探求の過程を追い,気体の定圧変化と定客変化の熱の出入の違いや,熱と力学的仕事の関係を調べる。

2 史実の要約

 1798年ラムフォード(力学的仕事と熱),1799年ラツビー(分子運動)の考えは中学校で取り扱われ,1840年ジュール(ジュールの法則)については中学校及び理科1で取り扱われている。マイヤーの論理を追うことにより,ねらいが達成できよう。
熱の仕事当量を最初に求めたのはマイヤー(ドイツ1814〜1878)であった。1kcal の熱量を得るためには,どれだけの力学的仕事が必要かを,ドルトン(1766〜1844)の実験より推論し,実験をとおして,定圧比熱と定容比熱の差は力学的仕事に等しいことを示し, J(Cp−Cv)=W の式に表した。
 これを,順に説明すると次の図1のようになる。
 当時の器具での測定結果は,現在知られている値とは大きな開きがあるが,その実験方法の確かさにおいて,現在の実験と変わることはない。
 AからBの状態,BからCとひとまわりの定容・定圧変化によって放出・吸収される熱量を測定することは,気体のもつ内部エネルギーの問題に直接迫ることである。
 マイヤーは,このサイクルについての実験を行ったわけではないが,実験内容を把握しやすいのでここにあげた。
 この結果の発表は1845年であるが,それより5年前にジュールがジュールの法則を発表,マイヤーの発表の3年後に,熱の仕事当量の測定をジュールが発表し,一応,熱力学第一法則の完成をみた。

図1
AからBの状態,BからCとひとまわりの定容・定圧変化によって放出・吸収される熱量を測定

3 準備

 20〜50ml 程度の注射器又は灌腸器,300ml の丸底フラスコ 1), 1l ビーカー 1),アルコールランプ 1),金網 1),三脚台 1),500gw 程度のバネ秤又は天秤分銅 1),ゴム栓 1),温度計 1),鉄製スタンド 2),スケール 1)

4 方法

 どんな方法で行ったらよいか,生徒に実験計画を立てさせ,方法一つ一つを,何のために考えたのかを検討させたり,仮設を立てさせ,方法を段階的に考えさせたりしたい。以下は一例である。
(1)20ml の注射器を,ゴム栓の孔を介し丸底フラスコに接続する。空気がもれぬようになっているかどうかチェックしておく。


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